2013年2月17日日曜日

白き茨のクローリクと黒き力のショコラートル

学部生論文は大抵の場合、それが提出された大学のデータベースと、執筆した本人のデータベースにのみ保存され、やがては消えていく運命にあると言っても過言ではないと思います。「大学全入時代」と謳われる現代、学府によっては論文を書く機会も得られぬままに学生生活を終えるということもままあります。日本の大学は、学生に対して知的創出を求めることをもしかしたら一部で放棄してしまったのかもしれません。ただ、それは逆にチャンスでもあるかもしれません。そもそも、学部生論文に注がれる社会的視線がほとんどないのなら、学部生は学者や知識人のように社会的地位や経済的波及効果などといった「しがらみ」を考慮に入れず、大胆で斬新な切り口で論文を書いてもいいのです。学者や知識人には扱いにくい領域であっても、大学で培った確かな観察眼と、情報を集約・精練して正しい論理構成を組み立てれば、論じることができる……そういうことはある意味、学部生の強みと言えるのではないでしょうか。

指導教授との相談の中でこう諭されたボクは、もしかしたら幸せ者だったのかもしれません。それまで大学では全く触れてこなかった「擬人化動物文化」をトピックに挙げ、最終的には「ファーリー・ファンダム (furry fandom) 」に到る経緯までも論文に認めてしまうという、冒険をしました。そう、危険を孕んだ冒険であって、自分にとってこれは「楽しい」などといった簡易な言葉で言い表せるものではなかった、そう、振り返ります。

そんなこんなで、指導教授の推薦を受け、学内の発表会の論壇に立つことになった1のですが、なにぶんこの分野は一般の方々にはなかなか見えづらいものですし、そもそもこの発表会が「これから論文を (強制的に) 書かなければならない」人たちのためでもありましたから、つまらないプレゼンテーションにはしたくありませんでした。そこで、思い切って……

突如学府に召喚され、慌ててしまったのか帽子を忘れてしまったうさぎさん (豅リリョウ撮影、2013年1月31日)
たまたまお暇と仰っていたうさぎさん (by manglucaさん) を召喚することにしました。女性の多い学部でしたから、はてまたは学府に着ぐるみという奇抜さからか、個人的な感触としては「ウケは上々」でした。アマチュアで、着ぐるみを制作してパフォーマンスをするグループがある、ということ自体初耳の方が多かったので、「本当に個人で作ったものなのですか? すごい! かわいい!」という感想が寄せられたことはうさぎさんにとってもきっと喜ばしいこと……だったことと思します。

ちなみに、現段階では執筆した論文の公開予定はありませんが、日本のそうしたイベントでパネル展示等が行われるのであれば、発表して反応を見てみたいと考えています。「どうして人間は、動物を擬人化することができたのか?」を、約200年間の創作文化を辿ってルーツを探ってみたという内容になっております。

 ◇ ◆ ◇

発表会を終えて数日後、オフモードになったボクは小学校来の親友二人と「チョコレート展」へ赴きました。場所は上野の国立科学博物館、棟は違いますがちょうど改築の終わった後の展示会でしたね。

フライヤーと入場チケット。チケットの遊び心が面白い。 (豅リリョウ撮影、2013年2月7日)
個人的には、チョコレートの甘ーい歴史だけでなく、苦ーい歴史ももっと深く掘り下げてほしかった念があります。チョコレートもいわゆる「ブラック・パワー」、列強各国による搾取の歴史を持っています。どのように植民地化政策を進めていき、どんな現象を起こしてしまったのか? そういった苦い歴史がぼかされ、文字通り「甘い」チョコレートの魅力についての紹介に終始していた印象が強いです。ただ、友人曰く「ここまで本格的とは思わなかった」との評で、それはボクも同感です。特に、チョコレート系企業とのタイアップで設けられた日本におけるチョコレート菓子の歴史コーナーは、自分たちにも馴染みのあるようなもののバックグラウンドを垣間見ることができ、仲間内での会話が特に弾みました。ですから、「甘い」と一蹴するのではなく、好い意味で「楽しい」特別展示会となっていたと思います。

さて、上野の会場を出て、三人は山手線沿いを徒歩で秋葉原方面へと向かいました。なんでも、高架橋下にアートスペースがあるのだとか。その情報を信じて、ぶらりと歩いていると……

高架橋下なのにこの明るさ。2k540 AKI-OKA ARTISAN (豅リリョウ撮影、同上)
確かにありました! 「2k540 AKI-OKA ARTISAN (ニーケーゴーヨンマル アキオカ アルチザン) 」と名付けられたこのアーティストアレイは、「ものづくり」をテーマにしたアトリエショップの集合体です。時間も時間だったので店には立ち寄らずウインドウショッピングをしておりましたが、こうした雰囲気は嫌いではないです。

その後、秋葉原駅前で少しのんびりと一服をしてから各々は帰路につきました。

1 ボクの大学では、すべての学部生論文が発表されるのではなく、各ゼミナールの指導教授がそれぞれ一人ずつ自分のゼミナールから推薦する形で発表会を構成します。

◇ ◆ ◇

最後は、動画コーナーでございます。


Furry Gangnam Style! from EZwolf on Vimeo.

アマチュア着ぐるみ映画『ビター・レイク (Bitter Lake) 』製作に関わったオランダのイーズィーウルフ (EZWolf) さんの動画です。

2013年1月16日水曜日

年末年始は北へ西へ

謹んで新年のお慶びを申し上げます。2013年・巳年もどうぞよしなに。さて、豅はこの年末年始、「青春18きっぷ」を使用しまして、北は宮城県・西は大阪府へ行って参りました。主な目的としてはその地元の友人との交流ではありましたが、特に大阪へは延べ片道11時間にも及ぶ鈍行列車での移動、車窓を流れていく各地の風景を眺めずにはいられません。

1) 群馬県訪問

まずは群馬県へと赴きました――が、ここで個人的に小さな驚き。「青春18きっぷ」は、1枚11,500円でJRのみどりの窓口で購入できる期間限定の切符で、利用可能な期間中に1回分を消費すると、全てのJR線の鈍行列車 (実際には乗れる路線・列車はもっと細かく指定されています。ご使用の際にはよくご自分でお確かめになってください。) に1日中乗り降りできます。これが1枚につき5回分がついていますから、1回につき2,300円となるのです――が、予想に反して片道2,300円未満で収まってしまうことに気付き、1回だけ使用することにして、往路は (これまでにほとんど乗ったことのない) 東武鉄道を利用しました。接続の見当を違えて、寒風吹き込むプラットフォーム上で数十分も待ってしまいました(苦笑)

余談ですが、このとき初めて脱水症状なるものに見舞われました。ボクが罹ったのは重度に近いもので、胃の中にあるものを全て戻し、腸の中にあるものを全て出し、それでもまだ悪寒が続くという悪夢に近いものでありました。幸い、冷静に対処をしてくださった友人のお蔭で若干復調し、その後自宅にて数日間安静にしておりました。ありがたや。

2) 宮城県訪問

お次は宮城県の仙台です。東北地方への自発的な長距離移動はこれで三度目になりますが、一度目は「北海道&東日本パス」を使用して北海道へと向かう途中でちょっと立ち寄っただけ、二度目は福島県の郡山で自動車免許取得合宿に参加するためでしたから、実質、仙台を観光するのは初めてでありました。一度目は福島駅から山形県に寄り道して仙台駅へと向かうルートでしたが、三度目の今回は快速仙台シティラビットに乗車。ただ、往路は郡山駅で乗った列車がそのままその快速仙台シティラビットになったことをにわかに信用できず、外に出て駅構内をうろうろしてしまいました(汗)

仙台駅に到着して、友人との待ち合わせ時間まで駅周辺を観光することができました。まずはポケモンセンタートウホクへ……これは単に『ポケモン』への興味というよりは、前回この仙台に来たのが2010年で、仙台七夕祭りの真っ只中の盛況振りを体感した自分にとって、東日本大震災は忘れえぬものでありまして、震災後にオープンしたポケモンセンタートウホクへは是非行っておかねばと思っていました。

上段左より、オーサカ・ヨコハマ・トウホクのご当地グッズ。下段はサッポロ。トウホクとサッポロを訪れた際はちょうど1周年記念のグッズを販売していた。 (2013/1/3) 撮影: 豅リリョウ
ポケモンセンターで上図右上のグッズを手に入れまして、大きなおともだちは旧仙台城跡の方面へと歩き出しました。時期はクリスマス、きらびやかなイルミネーションに飾られたアーケードを抜けると、段々と人気が閑散としていき、いつしか高層ビルもまばらになった広瀬川前、ここからが旧仙台城でございます。

広瀬川に架かる石造りの橋、大橋。この写真は仙台市街地の方を向いて撮っている。 (2012/12/22) 撮影: 同上
仙台城跡に到着! (同上) 撮影: 同上
仙台城のあった場所には仙台市博物館がある。 (同上) 撮影: 同上
伊達政宗 (……と言うより、伊達家かな?) ゆかりの地、仙台。その仙台の歴史を数々の文化的・歴史的遺産と共に紹介する、仙台市博物館へとボクは足を運びました。実は辿り着いたときには閉館時間まであと3分の2時間ほどに差し迫っていて、あまりゆったりとした気持ちでは観られなかったのではありますが、予想以上に充実していました。

その後、日もすっかり暮れて久しい頃に友人と合流し、楽しく談笑しましたとさ。

3) 大阪府訪問

東京駅で始発列車に乗れば、おそらく山口県あたりまでは鈍行列車のみで行けるのではないでしょうか。ただし、一日中列車の中です。「時間をお金で買う」という発想は、これに類する体験によって生まれるものなのではと思うところがあります。今回の旅路は片道約11時間……やはり、 (精神的に) こたえました。とはいうものの、どんなに列車旅に興味がなくとも、辛抱をすれば辿り着くということです。でも、車窓を流れる風景だけはちらちらと見ておきましょう。

とどのつまり、雪化粧をした富士山は、いやいやでも撮影してもよいのではなかろうかと。 (2013/1/4) 撮影: 同上
名古屋駅から大阪へは、JR線のみを利用する場合、琵琶湖方面へとぐっと持ち上げられる形となります。日本のケモノ・ファンダムでは初となる、ホテル宿泊型の「コンベンション」、JMoF (Japan Meeting of Furries) が1月12日から3日間 (実質的には2日間) 開催された彦根を通過し、新快速 (※) に乗って一気に大阪へ。大阪駅に着いた後は、友人のもとを訪ねるために更に数十分ほど乗り継ぎ、目的地に到着したのは日没の一歩手前あたりでした。

※ 青春18きっぷは、快速列車にも乗ることができます。先述の快速仙台シティラビットも同様です。

友人宅に着いたあとは……そうですね、新年早々何かにされていたような気が……あ、いえ、何でもありません。ウェブログを間違えようにも他にウェブログがない

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年末年始はこうして消化されました。コミックマーケットへは今回も参加せず……と思いきや、 (事後報告ではありますが) 実は初めて同人誌に寄稿をしておりました。Audie-Gryphさんの『Mode X-11』には、豅による「サハバトゥ縫いぐるみ拘束」イラストが十数枚 (6枚 + 差分8枚) ほど収録されております。

旧年は辰年でしたね。その前半年はユスタヴァのブラッシュアップが主立っていたと振り返ります。ユスタヴァのキャラクター・リファレンスシートを完成させ、『学問竜』の大改装と共にサイトの顔ともなりました。また、AnthroconのArtshowにも作品を出展し、ご評価を戴けたのか落札されたことも大きな収穫でした。さて、2012年の後半年はサハバトゥ一色だったといわざるをえません(笑) 7月に発表した『気がついたら着ぐるみを着せられていて……』 (R-18作品) は、最初に作品をアップロードした Twitter 上で、そして pixiv 上で、これまでボクが経験したことのない規模で反響を呼んだようです。いちばん驚いたことは、このサハバトゥの漫画がアマチュア動物着ぐるみグループのオフ会でも情報交換されていたことですね。まさかそこまでとは……お蔭様ですっかりぬいぐるみのわたになりそうです

大真面目にサハバトゥ現象について振り返ると、たまたまタイミングが良かったとしか言いようがありません。着ぐるみフェチ自体は以前から日本にもありましたが、アマチュア動物着ぐるみグループのイベントでの「男子目的の」望まれぬ参加者の所業により、着ぐるみと性は一時期、神経質なほどに切り離されていたそうです。それから年月が経ち、徐々に着ぐるみフェチに対しても寛容になってきていた頃に、サハバトゥがやってきた、ということらしいのです。そうした経緯は今でも気に留めております。

さて、今年は癸巳 (みずのとみ、きし) 。旧年の壬辰 (みずのえたつ、じんしん) では「妊娠」に繋がるということで勝手に盛り上がっておりましたが、まさかサハバトゥを孕んでいたとは思いもよりませんでした。癸巳は、癸が陰の水、巳が陰の火を表し、相剋 (水剋火) の関係にあるようです。ボクにはこれが、どうもサハバトゥ (癸) の中に閉じ込められて弄ばれている自分 (巳) しか思いつかないのは、何かの予兆なのでありましょうか……

……いや、純粋に、本年も素晴らしい年となりますよう、稔り多き年となりますよう、未来へと繋がる年となりますよう、願いつつも努力して参ります。

【動画紹介】


Crayon Dragon from Toniko Pantoja on Vimeo.

トニコ・パントヤ (Toniko Pantoja) 作 『クレヨン・ドラゴン (Crayon Dragon) 』

2012年12月16日日曜日

仏独共同出資のテレビ局アルテ、日本のラバー界を取り上げる

 久し振りにウェブログを書く運びとなったのは、 (まだ完全には終わっていませんが) 大きなタスクを終えて時間的な余裕ができ、なおかつこのネタが Twitter では書き切れなさそうだと思ったからです。日付はこのウェブログの慣習で日曜日に合わせていますが、実際にはその翌日以降に書いたものです。見栄えだけよくしても意味がなさそうな…… (今頃悟る)

 さて、今回はちょっとアダルトな内容です。フランスとドイツの共同出資で設立されたテレビ局、アルテ (Arte) の番組「トラックス (TRACKS) 」で、日本のラバー愛好界が取り上げられ、その筋では話題になっております。ただ、ボクが見る限りこの番組は「動物モチーフのラバー = ファーリー (furry) 」というバイアスが掛かっているように感じたので、もう少し掘り下げてみることにしました。

http://www.arte.tv/de/die-rubber-furries-in-hochglaenzenden-latex-outfits-ihrer-leidenschaft/7075772.html

 このルポルタージュを書いたのはジュリエ・テラソン (Julie Terrasson) さんというおそらくフランスの方ですが、本局でドイツ語に訳されているので、フランス語はちょっとわからないけどドイツ語なら…… (いや、自信はないけど……)

Dank ihrer handgefertigten Latex-Anzüge entfliehen die Rubber Furries in ihre Traumwelt und spielen „tierisch verrückter Bauernhof“. Doch im Latex-Zeitalter kann man die anthropomorphen Wesen nun endlich auch zum Leben erwecken. Bei den Gummi-Fetischisten wird das Tier zur Bondage-Domina.
Der tierische Fetisch schwappt gerade nach Europa, hat seinen Ursprung allerdings in Japan. Hier, in Tokio, leben Wanco und Karin Kariwanz, zwei der weltweit ersten Rubber Furries. Wanco, Japanisch für “Wauwau“, sieht aus wie Scooby-Doo und ist Schriftsteller. Karin, das Wesen mit dem Nemo-Fischkopf, ist Werberegisseurin. Inspiriert von den Mangas aus ihrer Kindheit, fertigen die beiden ihre Outfits in Eigenregie an.

Karin und ihr vierbeiniger Freund Wanco bringen sich selbst das Designer-Handwerk bei. Sie kaufen Latex-Blätter, schneiden sie zu und kleben sie dann zu Kostümen zusammen. Innerhalb von zehn Jahren hat das Kariwanz-Duo so etwa fünfzig Outfits entworfen, und natürlich ist keins davon verkäuflich.

 ハンドメイドのラテックススーツの力を借りて、ラバー・ファーリーズ (ラバー好きのケモナー、とでも訳しておきます) は彼らの夢の世界へと遁走し、「獣性の農場」で遊ぶ。ラテックスの時代において、人は遂に擬人化的行為 (ここでは動物のような振る舞いをすること) を呼び起こすことができるのだ。ゴム・フェティシストらによって動物は、ボンテージの王国 (dominus) へと変化する。

 動物性フェチ (ここではファーリーないしファーリー・ファンダム (furry fandom) の言い換え) は特にヨーロッパに広がっているが、その源泉はやはり日本にある。ここ、東京に、カリン (さん、以後原文になくとも敬称をつけます) とわんこさんが住んでいる。二人は世界的に見て筆頭たるラバー・ファーリーズだ。スクービー・ドゥー (Scooby Doo, アメリカのテレビアニメで、同名の犬が主人公) のような見た目の、日本語で「わんちゃん (ドイツ語で「わんちゃん」は「ヴァウヴァウ (Wauwau) 」と言います) 」を意味するわんこさんは、作家である。オレンジ・クラウンフィッシュ (『ファインディング・ニモ』の主人公の魚) の頭部を模したカリンさんは、広告ディレクターである。子供の頃に読んでいた漫画に触発されて、二人は作業場 (Eigenregie) で自分たちのアウトフィット (ここではラテックス・スーツ、あるいはラバー・スーツ) を作り上げる。

 カリンさんとその四つ脚の友、わんこさんは、デザイン工房にて技術を高めている。彼らはラテックスのシートを買い、裁断し、貼り合わせ、コスチュームに仕立て上げる。ここ十年の間に、カリわんズの二人はおよそ五十ものアウトフィットを創作してきたが、もちろん売り出すために作ったものは一つもない。

 さて、ここまで訳しておいてタイトルの紹介をするのですが、放映前 (12月15日以前) にサイトを閲覧した際にはちゃんと原題の「慾情のラテックス・アウトフィットの先鋒――ラバー・ファーリー (Die Rubber Furries in hochglaenzenden Latex-Outfits ihrer Leidenschaft) 」になっていたはずなのに、いま再閲覧してみたところ「プラスティック・イズ・ファンタスティック (Plastic Is Fantastic) 」という味気の無いタイトルにいつの間にか変わっていました。なぜだろう……?

 それはさておき、続きを訳していきましょう。

"Beim einem Internet-Chat habe ich mir den Nickname Wauwau gegeben. Karin und ich sind ins Gespräch gekommen und haben uns dann sehr schnell für abends verabredet. Und damit sie mich erkennt, habe ich mich als Hund verkleidet."
"Vor allem, wenn man eine Maske trägt. Man fühlt sich gleich viel besser. Das Herz klopft nicht mehr bis zum Hals, man ist nicht mehr so gestresst, viel gelassener. Sie ist ein Schutz."
Der nächste Verwandte des Rubber Furry ist natürlich der Furry. Zu Zigtausenden hüllen sich seine Vertreter weltweit in Pelz, um ihre tierischen Instinkte zu wecken. Da lässt auch die nächste Spezies nicht lange auf sich warten. Die Furverts - eine Kombination aus Furry und pervert – leben ihre sexuellen Triebe aus, sobald sie im Tieranzug stecken.
Als bisherige Krönung der Schöpfung erblickt Anfang des einundzwanzigsten Jahrhunderts der Rubber Furry - eine Kreuzung aus SM-Fetischist und Furvert -  das Licht der Welt.

 「インターネットのチャットで自分に「わんこ」という名前をつけたのですが、僕 (一人称が違っていたらごめんなさい) とカリンさんがそこでの会話でその後すぐ夕方に (dann sehr schnell für abends) 会うことになって、彼女に分かりやすいよう、犬の恰好をしたのです。」
「とりわけ、マスクを着けた者は、より魅力的に見えます。心の鼓動が首元まで迫っても心臓が飛び出るようなこともなければ (Das Herz klopft nicht mehr bis zum Hals) 、ストレスにはならず逆にもっとリラックスする。マスクは安全装置 (Schutz) なのです。」

 ラバー・ファーリーはファーリーの最たる近縁種であることはお分かりの通りであろう。世界中の何千人もの人 (Zigtausenden, ここではファーリーズのこと) が、獣性を開放すべく同じように毛皮で身を包んでいる。それはまるで、次に自分が生まれるべき動物種での生 (die nächste Spezies) が待ち切れないのかのように。ファーヴァート (furvert) ――ファーリーとパーヴァート (pervert, 変態) の合成語である――たちは、動物着ぐるみに身を包み、彼らの性的な慾動を表現する。

 これまでにおける創造のクライマックス (Krönung der Schöpfung, 直訳すると「創造の戴冠」) として、二十一世紀初頭において、ラバー・ファーリー――SMフェティシストとファーヴァートの交点――が誕生した (das Licht der Welt erblicken, この世の光を見る)

 賢明な読者様ならば……という偉そうな前書きはナシ! として、インタビューの内容と、解説の内容がどうもずれている気が致します。《 Zu Zigtausenden hüllen sich... 》のくだりは、もしかしたらそうなのかもしれませんが、ファーリーズの創作活動に限って言っても描画や音楽演奏、ストーリー (ライトノベルなど) の執筆なども含まれますから、それがすべてではないことも確かなことです。そして……そもそも、カリわんズのお二方は「ファーヴァート」なのか? という点についても、 (第三者の目からすると) 疑問に思うところがあります。

 次にサエボーグさんへのインタビューを訳していきます。

Bei der Künstlerin Saeborg paart sich der Rubber Furry mit Aktivismus. In einer Galerie in Tokio präsentiert sie an diesem Abend ihre neueste Kreation “Slaughterhouse 6“ – Schlachthaus 6. Mit ihrem Playmobil-Bauernhof aus Latex will Saeborg die Ausbeutung der Frau anprangern. Für sie sitzen Kuh, Bäuerin und Schäfchen im selben Boot.

"Ich bin sehr wütend darüber, dass Randgruppen oft stark diskriminiert werden. Dabei sind diese Leute Vorreiter. Ich verabscheue Menschen, die andere danach beurteilen, ob sie in der Gesellschaft oben oder unten stehen, stark oder schwach sind. Ich hasse diese Mentalität, und alle, die sie unterstützen. Deshalb habe ich angefangen, Tierkostüme zu produzieren."

Wenn Saeborg also ihre Schäflein mit Stacheldraht umzäunt, hält sie damit einer japanischen Gesellschaft den Spiegel vor, die alle Menschen in Schubladen steckt. Saeborg stellt ihre tierischen Outfits seit inzwischen vier Jahren selbst her.

"Bei meinem Kostüm mit den kopulierenden Pudeln sieht man auf den ersten Blick zwei total süße Haustiere, so niedlich wie eine Barbie. Sie sind so süß, dass sie wie Spielzeug aussehen. Aber in Wirklichkeit vögeln sie, weil sie eben lebendige Wesen sind. Wenn man Weibchen und Männchen zugleich verkörpert, fallen geschlechtsspezifische Unterschiede weg, es gibt die Unterscheidung Mann-Frau nicht mehr. Und man kann mich endlich nicht mehr in eine Geschlechterkategorie einsperren."

 女流アーティスト、サエボーグさんはラバー・ファーリーとアクティヴィズム (ここでは活動家の意) を兼ね備える。東京のとあるギャラリーで、彼女は今夕、彼女の最新作「Slaughterhouse 6 (ドイツ語で言えば、シュラハトハウス ゼクス (Schlachthaus 6) ) 」を開園 (上演) する。彼女のラテックスでできた移動家畜園 (移動式農場) によって、サエボーグさんは女性を食いものにすること (die Ausbeutung der Frau, 女性の搾取) を批判しようとしている。彼女のために、乳牛、女性農家、そして仔羊が一堂に会する (im selben Boot sitzen)

 「私は、社会的に疎外された人たち (端の (Rand) 集団 (Gruppe) ) がしばしば強く差別されていることをとても腹立たしく思っています。その点で言えば、ここにいる人たちはパイオニア (先導者) なんです。私は、他人のことを、その人が社会的に (地位が) 上か下か、 (権力が) 強いか弱いかを基準にして判断するような人々を忌み嫌っています。私はこうしたメンタリティ (精神構造) 、そして彼ら (ここではおそらく、改善すべき日本社会の慣習) を支えている総てのものに対して嫌悪感を覚えます。だから私はアニマルコスチュームを作ることを始めたのです。」

 サエボーグさんはまた、彼女の仔羊を有刺鉄線の塀で囲うことを、人はみな型に嵌められている (in Schubladen stecken, 引き出しに仕舞う) という、日本社会の映し鏡 (インタビューでは「縮図」と仰っていました) を批判することにもなるだろうと考えている (余談: この文が一番文法的に難しいです。上手な訳がありましたら教えてくださいorz)サエボーグさんはさしあたりここ五年間アニマルコスチュームを手掛け続けている。

 「私が手掛けた交尾している二匹のプードルのコスチュームについて、人はその二匹が、バービー人形と同じくらい、本当にかわいいペットだなあという第一印象を持ちます。二匹はとても可愛くて、おもちゃのようにも見えます。だけど実際には彼らは交尾をしているんですね、彼らもまず生き物ですから。女性と男性を同時に具現化するとき、性の違い (geschlechtsspezifische Unterschiede, 性種の差異) が無くなり、そこには男女の区別が消滅します。そして最終的には私を一つジェンダーの括り (Geschlechterkategorie, 性のカテゴリー) に閉じ込められないものにすることができるのです。」

 翻訳の間違いに気がつきましたら、是非コメント欄でご指南くださると嬉しいです。実はここまでのテキストは、実際に放映された約10分の番組の中でもそのままの形で出て来ているので、ここでボクの抱いた疑問点をもう一度書きます。「ラバー」と「ケモノ (Furry) 」には全く関連性がないといえばそれは誤りなので、どう表現すればよいのか今も考えあぐねるところがありますが、少なくとも「動物モチーフのラバー・フェティシズム」を直接的に「ファーリー」へと結び付けるのは議論の跳躍だと思いました。おそらく、この番組のディレクターははじめからこの答えを用意していたのだと考えますが、もし、インタビューを受けた方々に対して「あなたはファーリー (ケモナー) ですか?」という質問がなかった場合は、なおさら悪質な報道だったと言わざるを得ないでしょう。

 最後に、番組ではフェティッシュファッション専門サイト、フェティッシュスタイル (Fetish-Style.info) の管理者・編集者: latexcatsuitさんへのインタビューもあるのですが、筆者はドイツ語のリスニング能力には滅法乏しいため、独文のディクテーションと和訳を行うのは難しい……力及ばず、申し訳御座いません。

【今回は動画の紹介を省略します】



2012年5月27日日曜日

脱稿しました、たぶん。

しばらく振りでございます。この五月、特に中盤から今日へ掛けて、原稿を執筆しておりました。世間では、新しい環境に馴染もうと必死になった身体をいたわるゴールデンウィークから上手く抜け出せない際によく陥るとされる「五月病」なる言葉がありますが、些細な事とはいえ、何か短期的な目標を持って日々を活動すると、一日の重みが増し、潤いのあるアクトがおのずと出来るようになるのですね。取り敢えずの「脱稿」をしたボクがその場で振り返るに、そう改めて実感させられます。

とはいえ、苦しい月でもありました。特に、締め切りが差し迫るにつれ、サーカディアンリズムが精神的な緊張で狂い、殆ど寝れない日々が続きました。一ヶ月半ほどをかけて頭の中で練り上げてきた構想を、今回絵に認めたのですが、その作品はボクが過去手掛けた作品を思い返しても類を見ない、突出して巨大なキャンバスに描いたのであります。友人のご好意でペンタブレットを手にして以来、ほぼ半年に亘ってデジタルアートの練習を個人的に積み重ねてきたのですが、それでもまだまだこのデジタルの環境に順応出来ておらず、描いている最中も暗中模索・試行錯誤の連続で、非常に体力を消費しました。この週末はなるべくゆったりと (自分の好きなことをしながら) 休んでいたつもりではありますが、それでも未だに筋肉痛を引き摺っております。挙句、創作意欲は元気そのもので、喜ばしく感じると共に、それについていけない自分のメンタル面の弱さ、決意の脆さ、そして体力の無さを思い知らされる次第です。この点については、よく反省し、もっと善い導きが出来るように努力していく所存です。

因みに、上に述べた原稿 - 即ちイラストレーションは、6月14日から17日にかけ、アメリカのピッツバーグで催される、世界最大級のファーリィコンベンション『アンスロコン (Anthrocon) 』のアートショー (Artshow) に、仲介人を通じて出展される予定です。日本のイベントにも (一般参加経験はあれど) 作品を出展したことが無いボクが、いきなり海外の、しかも日本では到底考えられないような巨大なイベントに作品を出展するというこの冒険、仲介人 ―― アメリカ在住で、日本のケモノ文化をアメリカに紹介する活動を過去に何度も行ってきた御方、イムハタさんのご協力が無ければ為し得なかったことです。まだ『アンスロコン』開催は半月先の話ではありますが、この場を借りてお礼を申し上げます。

このアートワークを完成させた後、すぐさまボクは所属する漫画研究会の原稿に取り掛かりました。時間的な余裕が無く、本格的には描けませんでしたが、およそ一年振りのアナログ原稿でしたから、原稿用紙や筆記具、画材の雰囲気が懐かしく感じられました。この原稿は後日デジタルで着色し、六月初旬終わり頃に発表を予定しております。また、近くホームページの更新も予定しております。出来れば、『アンスロコン』開催前に、ある程度の英語化が完了していることが望ましいですね。

◇ ◆ ◇

記事の締め括りは、毎度恒例の動画紹介でございます。



なんと、今年の『アンスロコン』には、ゲストオブオナー (Guest of Honor) として日本のファースーツ・ジャグリング・アクロバットパフォーマー、「荒ぶる毛玉」ことサーデュオン君が招待されております。そのご活躍を願って、当記事でも紹介します。

2012年4月22日日曜日

TFオフ会、及び「ヒカリエ」レポ

更新日より一週間強遅れてしまいましたが、二週間分を纏めてこの日付で投稿します。今回の記事の内容は二つ、一つはTF(『トランスフォーマー』の略号でもありますが、ここでは transformation 或いは transfur の略称で、変身・変質嗜好のことです。「 A が B に変身する」というものを基軸として、 A から B への一部始終または断片を想定して創作を行います。)ジャンルに関わる人達で短期間に断続的に行われたオフ会に参加したこと、もう一つは渋谷に新しくオープンした「ヒカリエ」のレポートです。

オフ会では、テーブルを囲んで皆で飲み食いをしたり、カラオケで熱唱したり、会議室を借りてイラストを描いたりと、これまでになくエンジョイ出来たと思っております。忙しい四月の中旬だったとはいえ、おのおの何かとかこつけて時間を確保した一同、会食ではそんな疲れた身体を酒だけでなく美味しい料理と愉しい会話で癒してくれました。「とり一」の名をここに書き留めておきます、酒が中心になるかと思えば、肴以外にも煮込み玉葱や刺身などの様々な料理を揃えていて、腹八分のいい具合に食べ物を入れるにも、そこまで高額な会計とはならない、これは下戸なボクにとって素晴らしい場所です。日を新たにして、休日。久し振りにカラオケボックスに入ったボクは、周囲のテンションに圧倒されながらも、自分の歌える無難な曲(……とは言っても、『ガオレンジャー吼えろ!!』という喉を壊す曲をセレクトしていたのではありますが。)を歌っておりました。思えば、オンライン上で知り合った友人達とオフラインでも会うようになって、カラオケに行く回数は確かに増えたので、声の出し方はその通い始めに較べればそれなりに良くなっているかと思しました。最後に、「うろおぼえカンパニー」の会議室にて、友人の似顔絵(獣人・竜人化)を描いてみたり、メイド服の雌竜人を見様見真似で描いてみたりと、絵を描き、語らいながらゆったりとした時間を過ごしました。

◇ ◆ ◇

次は「ヒカリエ」レポートですね。……とは言っても、母と共に赴いたのではありますが、「期待していたほど(敷地面積・取り揃えられている商品の幅などは)大きくないし、ちょっと期待ハズレ」との評ですから、気だるい気持ちを振り起こして足を運んだ割には見返りが少なかった印象ではあります。

「ヒカリエ」概観(撮影者: 豅リリョウ, 2012年4月28日撮影)
 確かに一層一層はボリュームが少な目に思えるかもしれませんが、「ヒカリエ」のこの奇抜な概観は、想像以上にファッション性に満ちています。個人的には、「ヒカリエ」上層部のアート・ギャラリーが洗練されていて興味深く思いました。これから様々なアート・イベントがこの「ヒカリエ」で行われていくことでしょう。

さて、母が唯一大いに感心したのが、フードフロアでたまたま立ち寄った「Rice People, Nice People!」という、ハーブとお米のレストラン。「ヒカリエ」の七階にありますが、これが想像以上に美味しかったです。食費を切り詰めている学生にとっては少々、手を伸ばしにくく思うとは考えますが、恐らく「ヒカリエ」のターゲットである働く20代~30代の女性にはかなりフィットしたコンセプトだと思いました。

「Rice People, Nice People!」ランチセットの一つ(撮影者: 豅リリョウ, 2012年4月28日撮影)
 ハーブ料理とはいえ、脂分の多い料理もあり、平均的な男性なら腹八分目まで気持ち良く食べられるでしょう。ベトナム料理からも着想を得ているということで、白米も長い粒のものです。普段は口にしないハーブなだけに美味しく感じられたのもあるかもしれませんが、少なくともボクは好きです。

ハーブティー(撮影者: 豅リリョウ, 2012年4月28日撮影)
食後にはハーブティーが用意されておりました。左はホット、右はコールドです。適宜蜂蜜(甘さは控えてあるため、茶の風味を妨げない)をかけて頂きます。全体的に軟らかい食べ物が中心でしたから、食べ終わったらすぐに行動出来そうな気分になれます。「ヒカリエ」の中に構えるだけあって、店内の内装は木の香りの生きた開放的な空間作りがされていました。こういった要素が女性を惹き付けるのかな、なんて思いながら店を後にした次第であります。

今回は思い切って店の名前を出して紹介をしてみました。ボクのウェブログでは恐らくあまりなかった試みでしたが、如何でしたでしょうか?

◇ ◆ ◇

最後に、動画を紹介してこの記事を終えましょう。



『The Butterfly Dragon』と題されたこのアニメーション作品は、オーストラリアのニュー・サウス・ウェールズ大学 COFA(College of Fine Arts) の学生 Sushan Yue さんによるもの。静謐な空間の中で起こった出逢い、魔法、その奥ゆかしい世界観がしんみりと伝わってきます。