2013年1月16日水曜日

年末年始は北へ西へ

謹んで新年のお慶びを申し上げます。2013年・巳年もどうぞよしなに。さて、豅はこの年末年始、「青春18きっぷ」を使用しまして、北は宮城県・西は大阪府へ行って参りました。主な目的としてはその地元の友人との交流ではありましたが、特に大阪へは延べ片道11時間にも及ぶ鈍行列車での移動、車窓を流れていく各地の風景を眺めずにはいられません。

1) 群馬県訪問

まずは群馬県へと赴きました――が、ここで個人的に小さな驚き。「青春18きっぷ」は、1枚11,500円でJRのみどりの窓口で購入できる期間限定の切符で、利用可能な期間中に1回分を消費すると、全てのJR線の鈍行列車 (実際には乗れる路線・列車はもっと細かく指定されています。ご使用の際にはよくご自分でお確かめになってください。) に1日中乗り降りできます。これが1枚につき5回分がついていますから、1回につき2,300円となるのです――が、予想に反して片道2,300円未満で収まってしまうことに気付き、1回だけ使用することにして、往路は (これまでにほとんど乗ったことのない) 東武鉄道を利用しました。接続の見当を違えて、寒風吹き込むプラットフォーム上で数十分も待ってしまいました(苦笑)

余談ですが、このとき初めて脱水症状なるものに見舞われました。ボクが罹ったのは重度に近いもので、胃の中にあるものを全て戻し、腸の中にあるものを全て出し、それでもまだ悪寒が続くという悪夢に近いものでありました。幸い、冷静に対処をしてくださった友人のお蔭で若干復調し、その後自宅にて数日間安静にしておりました。ありがたや。

2) 宮城県訪問

お次は宮城県の仙台です。東北地方への自発的な長距離移動はこれで三度目になりますが、一度目は「北海道&東日本パス」を使用して北海道へと向かう途中でちょっと立ち寄っただけ、二度目は福島県の郡山で自動車免許取得合宿に参加するためでしたから、実質、仙台を観光するのは初めてでありました。一度目は福島駅から山形県に寄り道して仙台駅へと向かうルートでしたが、三度目の今回は快速仙台シティラビットに乗車。ただ、往路は郡山駅で乗った列車がそのままその快速仙台シティラビットになったことをにわかに信用できず、外に出て駅構内をうろうろしてしまいました(汗)

仙台駅に到着して、友人との待ち合わせ時間まで駅周辺を観光することができました。まずはポケモンセンタートウホクへ……これは単に『ポケモン』への興味というよりは、前回この仙台に来たのが2010年で、仙台七夕祭りの真っ只中の盛況振りを体感した自分にとって、東日本大震災は忘れえぬものでありまして、震災後にオープンしたポケモンセンタートウホクへは是非行っておかねばと思っていました。

上段左より、オーサカ・ヨコハマ・トウホクのご当地グッズ。下段はサッポロ。トウホクとサッポロを訪れた際はちょうど1周年記念のグッズを販売していた。 (2013/1/3) 撮影: 豅リリョウ
ポケモンセンターで上図右上のグッズを手に入れまして、大きなおともだちは旧仙台城跡の方面へと歩き出しました。時期はクリスマス、きらびやかなイルミネーションに飾られたアーケードを抜けると、段々と人気が閑散としていき、いつしか高層ビルもまばらになった広瀬川前、ここからが旧仙台城でございます。

広瀬川に架かる石造りの橋、大橋。この写真は仙台市街地の方を向いて撮っている。 (2012/12/22) 撮影: 同上
仙台城跡に到着! (同上) 撮影: 同上
仙台城のあった場所には仙台市博物館がある。 (同上) 撮影: 同上
伊達政宗 (……と言うより、伊達家かな?) ゆかりの地、仙台。その仙台の歴史を数々の文化的・歴史的遺産と共に紹介する、仙台市博物館へとボクは足を運びました。実は辿り着いたときには閉館時間まであと3分の2時間ほどに差し迫っていて、あまりゆったりとした気持ちでは観られなかったのではありますが、予想以上に充実していました。

その後、日もすっかり暮れて久しい頃に友人と合流し、楽しく談笑しましたとさ。

3) 大阪府訪問

東京駅で始発列車に乗れば、おそらく山口県あたりまでは鈍行列車のみで行けるのではないでしょうか。ただし、一日中列車の中です。「時間をお金で買う」という発想は、これに類する体験によって生まれるものなのではと思うところがあります。今回の旅路は片道約11時間……やはり、 (精神的に) こたえました。とはいうものの、どんなに列車旅に興味がなくとも、辛抱をすれば辿り着くということです。でも、車窓を流れる風景だけはちらちらと見ておきましょう。

とどのつまり、雪化粧をした富士山は、いやいやでも撮影してもよいのではなかろうかと。 (2013/1/4) 撮影: 同上
名古屋駅から大阪へは、JR線のみを利用する場合、琵琶湖方面へとぐっと持ち上げられる形となります。日本のケモノ・ファンダムでは初となる、ホテル宿泊型の「コンベンション」、JMoF (Japan Meeting of Furries) が1月12日から3日間 (実質的には2日間) 開催された彦根を通過し、新快速 (※) に乗って一気に大阪へ。大阪駅に着いた後は、友人のもとを訪ねるために更に数十分ほど乗り継ぎ、目的地に到着したのは日没の一歩手前あたりでした。

※ 青春18きっぷは、快速列車にも乗ることができます。先述の快速仙台シティラビットも同様です。

友人宅に着いたあとは……そうですね、新年早々何かにされていたような気が……あ、いえ、何でもありません。ウェブログを間違えようにも他にウェブログがない

 ◇ ◆ ◇

年末年始はこうして消化されました。コミックマーケットへは今回も参加せず……と思いきや、 (事後報告ではありますが) 実は初めて同人誌に寄稿をしておりました。Audie-Gryphさんの『Mode X-11』には、豅による「サハバトゥ縫いぐるみ拘束」イラストが十数枚 (6枚 + 差分8枚) ほど収録されております。

旧年は辰年でしたね。その前半年はユスタヴァのブラッシュアップが主立っていたと振り返ります。ユスタヴァのキャラクター・リファレンスシートを完成させ、『学問竜』の大改装と共にサイトの顔ともなりました。また、AnthroconのArtshowにも作品を出展し、ご評価を戴けたのか落札されたことも大きな収穫でした。さて、2012年の後半年はサハバトゥ一色だったといわざるをえません(笑) 7月に発表した『気がついたら着ぐるみを着せられていて……』 (R-18作品) は、最初に作品をアップロードした Twitter 上で、そして pixiv 上で、これまでボクが経験したことのない規模で反響を呼んだようです。いちばん驚いたことは、このサハバトゥの漫画がアマチュア動物着ぐるみグループのオフ会でも情報交換されていたことですね。まさかそこまでとは……お蔭様ですっかりぬいぐるみのわたになりそうです

大真面目にサハバトゥ現象について振り返ると、たまたまタイミングが良かったとしか言いようがありません。着ぐるみフェチ自体は以前から日本にもありましたが、アマチュア動物着ぐるみグループのイベントでの「男子目的の」望まれぬ参加者の所業により、着ぐるみと性は一時期、神経質なほどに切り離されていたそうです。それから年月が経ち、徐々に着ぐるみフェチに対しても寛容になってきていた頃に、サハバトゥがやってきた、ということらしいのです。そうした経緯は今でも気に留めております。

さて、今年は癸巳 (みずのとみ、きし) 。旧年の壬辰 (みずのえたつ、じんしん) では「妊娠」に繋がるということで勝手に盛り上がっておりましたが、まさかサハバトゥを孕んでいたとは思いもよりませんでした。癸巳は、癸が陰の水、巳が陰の火を表し、相剋 (水剋火) の関係にあるようです。ボクにはこれが、どうもサハバトゥ (癸) の中に閉じ込められて弄ばれている自分 (巳) しか思いつかないのは、何かの予兆なのでありましょうか……

……いや、純粋に、本年も素晴らしい年となりますよう、稔り多き年となりますよう、未来へと繋がる年となりますよう、願いつつも努力して参ります。

【動画紹介】


Crayon Dragon from Toniko Pantoja on Vimeo.

トニコ・パントヤ (Toniko Pantoja) 作 『クレヨン・ドラゴン (Crayon Dragon) 』