2016年1月12日火曜日

JMoF2016を振り返る

JMoF2016~未知との遭遇~に、スタッフとして参加しました。スタッフとしては2回目、JMoFには3回目の参加でした。その回ごとにたいせつな思い出がありますが、今回は手記を残しておこうと思い、ざっと文章で振り返ってみました。

【2015年9月~前々日】

SNS(Facebook、Google+、Tumblr)担当として、公式ウェブサイトなどで発表された情報を海外向けに再構成して投稿していました。投稿した記事は約4ヶ月間で30+本程度ですが、3種類のSNSを同時に更新したので実質100+本の記事を私の手で投稿したことになります。

Twitterと異なり文字数の制限がほぼないに等しいため、可能な限り内容の具体化やキャッチーな表現を取り入れることに力を注ぎました。その甲斐あってかどうかはわかりませんが、特にFacebookでは160+いいね!を達成(2016年1月上旬時点)するなど、想像以上の広告効果があったように思います。

いっぽう、Google+とTumblrでは思った以上の広告効果はなかったように見受けられました。また、担当が別になっていたTwitterとの連携も難があり、作業合理化の必要性を感じています。

当初の目標だった「海外からの参加者を30+人にする」は事前参加登録の段階で達成しました。SNSの効果というよりは、前年参加者の口コミやスタッフの海外遠征が実を結んだ結果だと考えています。

【前日】

ユスタヴァは結局2015年中に完成しませんでした。毎朝出勤する前に彼の目の前で何度も口約束をしましたが、破ってしまい申し訳ない気持ちでいっぱいです。今年こそは計画立ててユスタヴァの完成に取り組みます。

ユスタヴァは設定上被毛竜ではないのですが、いまの手持ちの素材で完成を目指します。ヘッドと手のリメイクと翼の制作が残っています。いつまでもハゲのままにはしません!

豊橋への移動は前年同様、新幹線のグリーン車の進行方向一番後ろの席に座りました。おそらく普通席でも問題ないと思いますが、どうしてもユスタヴァのことが気にかかってしまい、いまだに試していません。

チェックインを済ませて部屋に着いた後、荷物整理をして眠りにつきました。

【1日目】

JMoFプランの朝食(ホールD)は2日目からで、この日は1Fにあるレストランで朝食を取りました。午前中は公募企画「ケモナー論文公聴会」の発表内容を再確認し、どのようなスライドを作れば効果的なプレゼンができるか考えていました。

お昼過ぎにはさっそく現地に到着していたスタッフの招集がかかり、搬入の手伝いや会場の設営を手伝っていました。空き時間には、当日のタスクとなっていた英語版Twitterの更新のため、和文英訳に勤しんでいました。

開会後、さっそく私はさとみさんとNoiseさんが司会の「道徳の時間」に参加しました。ケモノ界隈の諸問題について、face to faceで議論を試みる企画でした。

1. 誹謗・中傷をしない
2. 他人の意見を否定しない
3. 自分のことは棚に上げる(!)

上記のルールのもと、「ケモノと性のイメージが一般に広まったとき、ケモノ界隈はどういう影響を被るか?」と「ケモノ界隈が今後も存続していくために何ができるか?」について、参席者が自分の意見を述べ合いました。

前者:この問題について普通に話し合えば、おそらくネガティブな意見しかでないと思います。キュレーターのNoiseさんの助言もあり、私は敢えてポジティブな立場で考えて意見を述べさせてもらいました。「欧米でFurryが世の中に認知されるきっかけを作ったのはケモノ=性のイメージだったので、日本でもそれを推し進めれば認知度が高まる」という、かなり乱暴な意見です(自分でも思います)。欧米ではその後、今回の「道徳の時間」のような取り組みがたくさん行なわれるようになり、いまではほとんどのメディアがFurryのポジティブな面を取り上げるようになりました。

後者:最後の最後で持論を述べさせてもらいました。「ケモノ界隈外との接点をもっと作り出し、社会にコミットしていくことで自分たちの文化を守る」という持論です。自助努力ですべてがよい状態になるのが理想ですが、実際には難しいです。問題はかならず発生し、その対処や責任を果たす瞬間がかならず訪れます。このとき、自助努力にプラスして外部の信頼があればいいなあと思っています。たとえば今回のチャリティーはもちろん動植物やその事業に携わる人々の支援のためですが、私たちが社会をよりよくするポジティブな団体であることを内外に印象付ける機能も少なからずあります。人によっては汚い話だなあと感じるかもしれませんが、社会に参画することで社会的地位を維持することは存続にかなり重要です。

こうした対面での議論は、匿名空間での議論と機能が異なると考えています。対面の議論でできることのほとんどは匿名空間の議論でも実現可能ではありますが、項目ごとに難易度が違う……という意味です。今後もこうした時間を通じて、自分たちのことを客観的に見つめ直し、何ができるのかを考える取り組みをしていければなあと思いました。

【2日目】

午前中、ユスタヴァを召喚しました。ガルテラ(※)といっしょにホールロビーをまわり、1~数年ぶりの再開(2匹ともレアキャラになってしまいました……)を噛み締めていました。
※らるさんのキャラクター

午後はほぼスタッフ仕事に徹しました。特に今回のサタデーナイトフィーバーは業者がやったのかと思うくらいにスケールが大きく、その準備にたいへんな時間を要しました。すからさん・龍我さんやNoiseさん、七輝さんやレオナさん、DJのつばきさんやぶいさん、ホテルの担当者の方々、その他手伝ったすべての人の血と涙の結晶……とまでいうと少し言いすぎかもしれませんが、とにかくたいへんだった分すばらしいクラブステージができあがりました。

撤収・翌日の用意にも時間がかかってしまい、日を跨ぐ作業となってしまいました。その合間を縫って、翌日に控えた「ケモナー論文公聴会」用のスライドも作成していました。この日の午後を境に、私は裏手側にほぼ徹することになりました。

【3日目】

朝のTwitter更新(この日は日本語も担当)を終えた後にNoise Studioにかけこみましたが、人(獣)が混んでいて時間がかかり、公募企画の開始時刻に間に合わなくなりそうになったので、撮影を断念しました。ファストパスを得ていれば対処のできたことだっただけに、今回いちばん悔やんでいます。

その代わり、台湾の刃(龍龍さん)のお目に留まり、ものすごいテンションで名刺を交換したことが今回(企画以外で)いちばん印象に残っています。どらぐさんのシスにも挨拶ができたので、この日の交流はとてもよかったです。

さて、肝心の「ケモナー論文公聴会」ですが、想像以上の手ごたえを感じています。ステージショーに時間がかぶっているにもかかわらず、用意した15脚が足りなくなって立ち見ができてしまうほどの入りでした。まんぐくんが近現代(とりわけ現代)の動物と愛について全般的に語り、私が古代~近世におけるヨーロッパの動物観の変遷について語りました。最後には拍手喝采が起き、逆にこちらが感動していました。

まんぐくんの発表内容は、現代の愛の複雑性に丹念に迫るような内容でした。広く浅く、世の中の動きがわかるような解説をはさみながら、まんぐくんは解説をしていました。ひじょうに興味深く聞かせてもらいました。

私の話した内容は、「古代~中世の動物の擬人化と、近世~現代の動物の擬人化の違い」のとっかかりを得られるよう、「愛」という概念をあえて使ってヨーロッパ史を紐解き、説明しました。「人間中心主義」の説明がたどたどしくなってしまったことが心残りですが、言いたいことは伝わったかなあと勝手に思っています。

その後、しばらくつばきさんやユックさん、こまこまさんやルカさんと話をしていました。前述のとおり手ごたえを感じているので、こうした活動を何かしらの形で今後も継続していきたいと考えています。今回はまんぐくんと私が発表しましたが、次回があればぜひ他の方にも発表していただけないかなあと考えています。逆に参加者の方々からは、小学校の自由研究(個人研究をしたものを紙にまとめて掲示する)や高校の部活動の部誌(個人研究をしたものを小冊子にまとめて刊行する)のような活動もできれば面白いのではという意見もいただきました。

デッドドッグパーティー中は、ステージとNoise Studioの撤収作業を手伝っていました。結局時間内に終えることができず、NoiseさんとHilockさん、OTKさんで裏でさびしくソフトドリンクで乾杯していました。来年はぜったいにぱーてぃーぴーぽーになるぞ……(涙)

【4日目】

バレットタイム撮影のブース解体作業を手伝った後、ホテルの担当者にスタッフ総出でお礼と挨拶をしました。シャトルバスに乗り、豊橋から新幹線。あっという間に東京に戻ってきました。

【5日目~】

JMoF2016は閉会しましたが、私にはまだやることが残っています。次回、JMoF2017~豊橋サスペンス劇場~をよりよくするためのフィードバックですね。これが終われば、私の中のJMoF2016は本当の意味で閉会します。

もちろん他にもやるべきことがあります。2016年の(私生活での)目標を達成することです。
①完全なユスタヴァを誕生日(9月25日)までに召喚する
②来年のJMoFで行なう、ケモノ×学問の活動を立案・実行する
③旅行(イベント参加オンリーではない)を2回する
絵を描いたり曲を作ったりしたい気持ちはやまやまありますが、今年は目標をしぼろうと思います。

2016年もどうぞ、よろしくお願いいたします。