2020年1月15日水曜日

豅リリョウ in JMoF 2020

総括

正直なところ不安感が勝っていたが、それを吹き飛ばすエネルギーを持った参加者と、ボランティアやスタッフの現場担当者による尽力で、JMoF 2020もまた私の記憶に残るコンベンションになった。

年末年始

年末年始の休みをコミックマーケット97のサークル活動(Philosofur)とJMoF 2020コンブックの原稿作成・版下チェックに捧げる。
新刊『Philosofur extra 5』は、構想・アンケート調査1ヶ月、原稿・版下作成2週間の極限のスケジュールで制作。12月26日(木)入稿。30日(月)に売り子としてブースを切り盛りする。

次は『Philosofur 3』を出すぞ!

コンブックを1月7日(火)未明に入稿、Web班にホテルからの依頼と電子版コンブックの掲載を依頼するため原稿を作成、8日(水)に入稿。
その日から、事前に他の広報スタッフに作業指示しておいた、開催当日のソーシャルメディア投稿の内容チェックに着手。

1日目

年始の仕事を捌きながら修正加筆・翻訳を行い、10日(金)の午前4時までに2日目までを完了。この間に電子版コンブックのミスが発覚するも、コンブック総括の千葉いちばさんとWeb総括のえかはすさんのファインプレイにより解消(お二方には頭が上がらない)。Noiseスタジオのファストパスを取得。1時間半で荷造り・シャワー・食事をして出発。新幹線で豊橋に向かい、12時前にはロワジールホテル豊橋に到着。13時にスタッフ号令に参加。


まだ投稿していなかった企画の告知依頼、開催当日のソーシャルメディア投稿(3日目、開催後)の内容チェック、その他追加の告知依頼をスタッフ控室でこなす。そのうちにトーク&スナック&カフェインと開会式が終了していたが、スタッフ控室に回収されてくる菓子類が例年より少なかった。より多くの菓子類がちゃんと参加者に回ったということなので、よいことである。
はたらくケモナー交流会に参加。前回より参加者数が増え、2グループになった。プロフィール(職業・職種・勤務先)と、現在悩んでいる問題について各人が語り合った。梨味さんが介護に関する本を書いていると聞いて、個人的にメモ。
コンベンションとはいわば同好会の一種であり、コミュニケーションが主体である(趣味を通じて知り合った同士は、より多様なつながりを求める)。人と人とのつながりあいには、時としてコンテンツを介在させなくてもよい。その際たる例として、ゲントウくんががんばっている恒例企画である。
Noiseさんと共にSEAfur Panelに参加。東南アジア圏のファーリーたち(Gaoさんなど)が、それぞれの国の地理、主要な観光地、食べ物、現地のファーリーコミュニティーについて紹介した。ミャンマー、ラオス、カンボジアについても言及していた。東南アジア圏のファーリーの連帯を感じさせるよいパネルだった。
獣語授業に参加。終始テンションが高く、円滑なコミュニケーションのためならフェチを語り合えと言わんばかりの構成はさすがキープさんだなと思った(授業には竜朗さん、ルーさんも登壇した)。この企画の本質は、その3名の人望を活かし、多くの海外ファーリーと国内ファーリーを同じ箱の中に囲い込み、相互のコミュニケーションを支援したところにあると感じた。
スタッフ控室に戻り、開催当日のソーシャルメディア投稿の内容チェックを進める。他班のスタッフといっしょにステーキガストで食事を摂る。自室で開催当日のソーシャルメディア投稿の内容チェックを完了して、26時に就寝。

いまだに頭髪・ゴーグル・翼がないものの、何だかんだ愛着がある。

2日目

6時起床。シャワーを済ませ朝食を摂り、9時のスタッフ朝礼に参加。
着ぐるみクリエイターコンテスト2020に途中から参加。レッドカーペットが敷かれたランウェイで、個性豊かなファースーツがその魅力を放っていた。出場者は壇に上がったり下がったりする必要があり、必然的に動きやすさも問われる会場設計となっていた(※もし私が着ぐるみクリエイターコンテストに参加するなら、スタジオ撮影にしか適さない着ぐるみを作りたいと考えており、勝手に頭を悩ませている)。


ホールロビーのホワイトボードに張り出されていたホテルからのお願いを翻訳し、訳文をすべてホワイトボードに手書きで記入(※これは事前に用意できない事情がある)。
着ぐるみクリエイターコンテストが押したため、次のGoH Talk Showの準備を補助。休む間もなく着ぐるみパレードの下見(12時~)に参加。昨年よりも通路が狭くなったドン・キホーテと、開店したZENTを実地で把握。
GoH Talk Showに参加。今回はゲストオブオナーのアンクル・カゲ(Uncle Kage)と通訳のサーシャさんの言語能力によってかろうじて企画の体が保たれた、危うい内容だった。聞き手のクリスケさんの持ち味である連想力が、あらかじめ用意はしていたものの想像以上にアンクル・カゲの「話すべきではない」壁が堅かったことと、聞き手側の通訳が(申し訳ないが)技量不足だったことが重なって、やりづらそうな印象だった。内容としては、アンスロコン(Anthrocon)が街ぐるみのコンベンションになっていることに対して、「それは私の功績ではない」・「ピッツバーグ市民がやったことだ」と発言したことがもっとも印象に残っている。
着ぐるみパレードの警備(誘導員)ボランティアとして、自分の持ち場に移動。ZENTの入り口前の細い通路が持ち場で、行進する着ぐるみを撮影しようと参加者が通路に列を作ると、他の一般客の通行を妨げることに気が付いたため、適宜着ぐるみにどちら側に寄ってもらうか話しかけたり、パレードを止めて一般客の通行を促したりした。

あぐちゃきた 襲われているのはまんぐくん(許可は取った)

自室に戻り、ユスタヴァ(着ぐるみ)を45分ほどかけて召喚。久し振りの召喚で、構造的に視界不良なユスタヴァの視界と身体マッピングで、壁やポールにぶつかりながらなんとかNoiseスタジオまでたどり着き、小物として用意していたドラゴンブースト(空き缶、洗浄済み)を使いながら数カット撮影。ヘッドレスルームで休息を取り、スタッフ控室に移動。アンクル・カゲと昔、アンスロコンがさんまのまんまの取材を受けたことについて話をして、アンクル・カゲが酒☆フェスに出向いたあともしばらく滞在。
自室に戻り、ユスタヴァの召喚を解除。ここで、自分が召喚の際にベルトや首輪の一切を忘れていたことに気が付く。ユスタヴァの身体をいたわって「boop」してから、スタッフ控室に戻る。
Uncle Kage's Story Hour in JMoF 2020に参加。始めは非英語話者に配慮して、ゆっくりと、はっきりと発話しながら、定番のネタ(ご両親の金婚式をユーロファレンス(Eurofurence)で祝った話、消防士の話など)を披露した。英語話者にとってはおそらくどこかで聞いた話だったかもしれないが、アンクル・カゲの緩急をつけた迫真の語り口に笑いが絶えなかった。終盤に差し掛かると元来のまくしたてる口調があらわれ、非英語圏の英語話者のために私が「raconteur」をより平易な「storyteller」に置換したことを少し恥じた。
Trip Fur GARDENにほんの少しだけ参加。前日のMAYHEMでは電気系統のトラブルがあって出力が抑えられたが、本日は本領を発揮し、心臓を撃ち震わせるほどの音響空間となっていた。

そらみくんかっこよかった

ホテルフロントで宿泊費を支払ってから自室に戻り、アンケートの作成に着手。Zuilangさんの汐崎での晩飯ツイートに触発されて、汐崎に移動。つばきさんとまずるさんにばったりお会いして、同じ席に入れてもらってバターラーメン(大盛り)を食べる。自室に戻り、アンケートの作成が間に合わないことを悟りながら、26時に就寝。

3日目

7時起床。朝食を摂ってシャワーを済ませ、9時のスタッフ朝礼に参加。アンケートの作成が間に合わないことをさとみさんに伝える。

いくらでもサラダとフルーツポンチが食べられる至福のひととき

クリスケさんといっしょにおしぼん!~お前の推し本を語り尽くせ~に参加。会全体の内容次第では紹介を控えることを考えていたが、主催のばけもさんのさまざまなジャンルを紹介したいとの意向により、論考ジャンルの本が私の本だけだったため、壇上に立つ。マット・カートミル著、内田亮子訳『人はなぜ殺すか――狩猟仮説と動物観の文明史』(1995)新曜社を紹介した。個人的には、『アーネストとセレスティーヌ』が原作とアニメでまったく違うことを知ったことが一番の収穫だった。
ディーラーズルームとアーティストラウンジを行き来して様子を見つつ、控室で他スタッフと会話を挟んでから、ケモノ・ドローイング・ワークショップに参加。前回同様、参席者の質問に答えるかたちで進行。『竜は黄昏の夢を見る』のキヤも登場し、動物変身もの(TF)に対する往年の想いを語りながら、姫川明輝先生の即興イラストレーションに見入っていた。
ディーラーズルームを再度訪問し、各ブースを渡り歩く。梨味さんの『同人介護の梨味さん』、ミライフラクトの1stシングル『三月/トワイライト・メモリー』、Ben-Benさんの『Beauties And Beasts』、稲尾さんの複製原画(朝顔)と型抜きカード(ウンピョウ)、姫川明輝先生の『ルウ・ガル』、月餅さんのTシャツ(寿司)などを購入。Ben-Benさんのブースには売り子(兼日本語通訳)としてKrhainosさんがいらっしゃり、1年ぶりの再会に少し言葉を交わした。余談だが、Krhainosさんの作っているステッカーに、私がJMoF 2019のアーティストラウンジで描いたKrhainosさん(だと思う、手元に資料がなく記憶もおぼろげ(2回描いたことは確か)で自信がない)があったのだが、それがアンクル・カゲの白衣についていたのを見て、ちょっと驚いた。

アーティストラウンジに移動して、VRラウンジに足を踏み入れる。おしぼん!と同様にエポックメイキングな企画だと勝手に思っていて、今回はふしぎの国のエナジー~Energy in Wonderland~より優先した。本格的なVR環境、VR JMoFにはリアルJMoF会場を映すライブストリーミングが、リアルJMoF会場にはVR JMoFを映すライブストリーミングが用意されており、参加・非参加、国内・海外、そしてリアル・VRの境を越えての交流が行われていた。私もVR体験に参加し、ちまっこい犬のアバターを選んでVR JMoFの地に足を踏み入れたが、(生)温かいVRChat民に手取り足取りいざなわれ、犬になった自分をまじまじと見つめたり、VRの環境構築や市場について解説を受けたりした。すさまじい企画だったが、ゲントウくんをはじめ、現場スタッフがVRラウンジにつきっきりだったことが気の毒に思っている(同じことはステージ班スタッフにも言える)。

めっちゃかっこいい

自室に戻り、痔を再発。
閉会式に遅刻し、他班のリーダーが全員登壇している中、舞台袖で閉会式に参加。JMoF 2021が4日間開催であることが告知されると、ホリデイホールDもホールロビーもわっと歓声が沸いた。舞台袖のスタッフは有給休暇をどうしよう……と物思いにふけっていた。
デッドドッグパーティーの前、アーティストラウンジ控室に荷物が残っていたため、ステージ機材の撤収を手伝っていたかみゅさんを連れて荷物を回収。ステージ機材の撤収先について伝達ミスがあることに気付き、ステージ担当者のころねんさんと機材総括の疑惑さん、ホテル担当者のZuilangさん、列整備総括のD.R.Cさんに伝達。列整備と機材の移動を両立できるよう連携してもらい、無事に完了。私の担当は広報だが、時としてこのような行動をする場合もあるということで、ここに書き置く。
デッドドッグパーティーは、私にとってどうしても過酷な時間なので、たくさんケーキを食べた。途中、アンクル・カゲがJMoF会場を後にする際、見送りに外まで同行した。握手を交わしていただいた。
デッドドッグパーティー後、スタッフ控室とホールロビーのホワイトボードを清掃して、自室に戻る。軽く荷物整理をして、最後までアンケートの作成に手を付けようか迷いながら、一思いに25時就寝。

4日目

7時起床。朝食を摂ってシャワーを済ませ、9時のスタッフ朝礼に参加。アンケートの作成が間に合わないことをスタッフ全員に伝える(陳謝した)。自室に戻り、荷造りをして戻ってくると、搬出作業はすでにほぼ運搬車待ちの状態になっていた。11時ごろにシャトルバスに乗り込んで豊橋駅に向かい、開明軒で黒毛和牛のデミグラスオムライスを食す。13時ごろに新幹線に乗り、帰路に就く。


このエントリーを書いて今にいたる。25時就寝予定。

謝辞

JMoF 2020をもって、私はJMoF実行委員会の広報スタッフ歴が6年以上(2014年~現在)となり、よって小学校を卒業できるほどの時間が経過した。前々リーダーのハムさん、前リーダーのじそさん、そして前代表であり私を引き入れてくださったクリスケさんには、本当にお世話になった。また、ここには書き切れないくらい、多くのスタッフやボランティア、参加者にお支えいただき、くじけそうになった心を奮い立たせてくれたことに感謝したい。今回は節目として記録に残すべきと考え、久し振りにブログを更新する。