≪ 我々は何処から来たのか 我々は何者か 我々は何処へ行くのか ≫
東京国立近代美術館のゴーギャン展に足を運びました。
ウジェヌ・アンリ・ジャン‐ポル・ゴガン(Eugène Henri Jean-Paul Gauguin)、
通称ゴーギャンは『19世紀末の爛熟した西欧文明に背を向け、
南海の孤島タヒチにひとり向かった画家(配布パンフレットより)』です。
本邦初となる≪ドゥ・ヴノン‐ヌ? ケ・ソンム‐ヌ? ウ・アロン‐ヌ?≫の
公開、平日にも関わらず非常に多くの方々が鑑賞に来ておりました。
印象派との接触から始まった彼の芸術に対する姿勢は、
ヴァン・ホホ(通称ゴッホ)の耳剃り事件をキッカケにポスト印象派へと移行し、
土地に息衝(いきづ)く『野性(配布パンフレットより)』を
描画対象にアインフュールング(感情移入)して、暖色と寒色の単純化された
コントラストによる独特の平面世界を表現する境地に到ります。
全体的には巧みな装飾の施された極太の額縁に収まって落ち着いている様に
見えましたが、此の素朴なコントラストと構図とが相俟って、画面に
不穏な「ゆがみ」が感じられ、そして『緊張感(配布パンフレットより)』が
身体全体に染み渡って来る様な感覚を、鑑賞していて覚えました。
ボクの様な凡人が語るのは此処までです。
ゴーギャンの画家としての孤独の漂泊に基づく彼の心象風景は、
人間の生死やその内面性としての『野性』を常に問い続けた彼の「言葉」で
語られています(言語で絵を説明したくは無いと本人は述べている)から...
少なくとも、彼にとってタヒチが本当の意味での楽園では無かった事が衝撃でした。
ゴーギャンに対する認識を改める、好い機会を頂けたなと思います。
[ 2009 / 09 / 03 更新 ]
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