2012年3月25日日曜日

二度目の奥多摩

JR青梅線をひたすら西進すること一時間強、奥多摩駅を降り立ってバスへ乗り込み、険しい山々をまるで糸で縫うかのように走っていくことこれまた三十数分、「ここは東京都か!?」と思わず疑ってしまうくらい、「都」という漢字がまるで当て嵌まらないような場所に、何と鍾乳洞まであるのです。《東京都のオアシス》こと奥多摩町に、日原鍾乳洞(にっぱらしょうにゅうどう)という所がありまして、友人三名(ガーリィさん、L.A.S.さん、狐塚さん)と一緒に訪れてみました。

▲青梅駅の看板(撮影: 豅リリョウ, 2012年3月13日)
実は奥多摩には高校生時代の思い出があります。高校の頃は化学部に在籍しておりまして、その部は年に二回、多摩川の水質調査を(私的に)行っております。高校二年生の夏、ボクはなんと多摩川の源泉、奥多摩湖(小河内ダム)の取水を任され、単身で奥多摩へ向かいました。取水時間は午前九時丁度と決まっていて、それに遅れると条件不一致となる為、遅刻は厳禁ということで、内心緊張しておりました。そのときの最大の危機はこの青梅駅でした。何故かって? 前より四両だけが奥多摩方面に向かいまして、それから後ろは切り離されて折り返しとなるのです。その時ボクは前から四両目の座席に座っておりました。後ろの号車が離れているのを見て、おかしいなあと思っていたのですが、構内アナウンスが耳に届いていなかったのでしょうか……いずれにせよ、ギリギリセーフでした。

▲奥多摩駅舎(撮影: 豅リリョウ, 2012年3月13日)
勿論あれからある程度知識をつけた今回は、とぼけることなく確かに奥多摩駅に降り立ちました。当日はすっきりとした青空が広がっておりまして、日本家屋風の駅舎の白壁が非常に良く映えておりました。

▲大木戸稲荷神社(撮影: 豅リリョウ, 2012年3月13日)
駅舎のすぐ近くにある稲荷神社を狐塚さんが発見されて、点と線だけだったボクの奥多摩像にまた一つ稔りが出来ました。やはり都民のレジャーの地といいますか、登山安全という文字がはためいております。

さて、一行はバスに乗り込んで、鍾乳洞へ向かいます。

崖崩れ跡(撮影: 豅リリョウ, 2012年3月13日)
鍾乳洞入り口の近辺で崖崩れがあったようで、鍾乳洞から奥は立ち入り出来ない状態になっていました。市街地に住む一都民としては、なかなかこれが「東京都」とは思えない光景の一つであります。

日原鍾乳洞入り口(撮影: 豅リリョウ, 2012年3月13日)
遂にやって参りました、日原鍾乳洞! ごつごつとした岩肌にぽっかりと空いた洞穴に入るや否や、ひんやりとした空気が張り込めておりました。壁や天井を見やると、何と氷柱(つらら)が出来ているではありませんか。鍾乳洞内部の入り口付近は地面も凍っていた箇所が多く、また通路が狭い為に何度も転びそうになってしまいました。肝心の鍾乳洞内部の様子は……一応写真には収めましたが、なにぶん暗い上にそこかしこの蛍光灯や電球で逆光になることが多く、ボクの素人なカメラ捌きでは上手に写真を撮れませんでした。ですから、沢山身体で味わってきました。とにかく、ひんやりしていて気持ちが好い。数十メートルはゆうにあるだろう、そんな大広間もありまして、開放感と圧迫感のアンビヴァレントな環境はまさに別世界でした。通路が大きければドラゴンでも棲みつきそうな感じでしたねえ。

▲日原鍾乳洞案内図(撮影: 豅リリョウ, 2012年3月13日)
▲日原鍾乳洞内のせせらぎ(撮影: 豅リリョウ, 2012年3月13日)
▲日原鍾乳洞、竜王の間(撮影: 豅リリョウ, 2012年3月13日)
ちょっとちいさすぎるなぎゃ

ライトアップのし過ぎで苔が生えてきてしまっていることは、何処の(一般公開している)鍾乳洞でも抱えている非常に解決の難しい問題だとは思います。光が無ければ何も見えませんからねえ……ただ、近頃LEDランプが公共機関をはじめとして浸透し始めてきているので、何れの時にかこうした問題を解決してくれるかもしれません。

そんなこんなでバスが来る時刻が差し迫り、一行は鍾乳洞を後にしました。バスを一つ逃すと、平気で数時間も待たされてしまうので、今回も時間には少々ナーバスにならざるを得ませんでしたが、大変面白かったです。場所が場所だけに、中々行く機会を持てないとは思いますが、興味が御座いましたら是非その目でお確かめ下さい。ただ、締め括りに一つ話をさせて下さい。鍾乳洞内で一組の男女カップルとすれ違ったのですが、女性が男性に「何でこんな所に連れて来たのよ! 早く出ようよ!」と急き立てておりました。……国内最大の鍾乳洞とは違いまして、この日原鍾乳洞はごくフツウの鍾乳洞です。ですから、市街地に棲む都民としては「こんな所に鍾乳洞が!? すごい!」と思う訳でありますが、苦労を重ねてまで来るような場所ではないと思いますので、あしからず。

▲奥多摩ハイキングフリーきっぷ(撮影: 豅リリョウ, 2012年3月13日)
最後に、今回のぶらり小旅行はこの「奥多摩ハイキングフリーきっぷ」のメモリアルの為でもあります。2012年の3月を以て、西武線からダイレクトに奥多摩方面へ行けるこの切符は廃止されます。

この二週間、イベントがもう二つありました。一つは、その昔大変親しく付き合っていた元近所の母親とその子が集まって、飲み会をしたのであります。十数年前、まだ小学生だったボクもいまや成竜となり、手に持つコップにはジュースではなくお酒が注がれ、乾杯。何とも言えない、ちょっとした感動に包まれました。

そして、一周年を迎えた「ふぁーすと」にも顔を出してみました。今回の「ふぁーすと3」は、ボクの目からして、海外の方々の参加が増えてきたかな、と感じました。目当てのモノを買うことが出来ず、気持ちの栓が少し緩んだのか、手に取って試し読みをしてみて大層感動したものを衝動買いしていってしまいました。まあ、結果オーライ、自分としてはエンジョイ出来たかなあと思います!

PS: 今回の記事には沢山写真を使ってみましたが、いかがでしたか? もし宜しければ、感想をお聞かせ下さいませ。

それでは最後に、恒例の動画紹介とやらにいきましょう。


『ラ・チョイ』という中国料理の缶詰のCMがどのようにして出来たのかを紹介する、プレゼンテーションムービーです。かなり旧いものです。

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